学名の由来
大正10年、ウトナイ沼岸の折居彪次郎さんがナラ林の洞から顔を出した獣に銃を向けた。後から出してみるとハンカチみたいな動物が死んでおり、これがエゾモモンガについて正式に報告されたはじめての記録である。
哺乳類専門家の黒田長礼博士が学名を付けるとき、折居さんの名をとって記念とした。
生態
エゾモモンガは夜行性の動物であり、一生のうちのほとんどを樹上で過ごす。木々の間を通常20〜30メートル滑空し、時には100メートル以上の移動もするので、発見するのは困難である。
巣は、通常、自然にできた樹洞を使用するが、キツツキ類の古巣も利用する。ほとんどの固体は1固体で一つから複数の巣穴を利用するが、季節や、環境条件により、1つの巣穴で複数の利用が見られる。
活動は、日没時と日の出時の2度に活動的になるが、そのため、夏季と冬期では活動時間帯も変ってくる。そのほとんどは菜食活動を重点とする。
巣から出るとまず、排泄行為をする。巣の有る樹かその近くの樹の決まった場所で行なう。
菜食時は平均して1時間程度だが、エゾモモンガは不定期に居住する巣穴を変えているためこの菜食の時間にいくつかの巣穴を探しているものと考えられる。それ以外の時間はほとんどが巣の中で眠っていることが多い。エゾモモンガはエゾシマリスのように冬眠しない。そのため、活動を最小限にとどめていると考えられる。 |
特徴
夏毛は背面から尾にかけて、薄い茶褐色、冬毛は薄い灰色に変化する。 腹面は全面白い毛に覆われていて、薄膜は淡い黄褐色である。
冬毛は毛足が長く厚い。また、毛の色などは個体差があり、一定ではない。乳頭数は4対(乳頭式2+1+1)で、陰茎部は細長く二またになっている。皮膜は手首から足首までつながっているが、足と尾の間に飛膜は無い。尾は平らで水平であるが、背中に背負っていることが多い。
繁殖
2月から3月を中心に繁殖活動を始める。この時期はオスのエゾモモンガが鳴き声を出す。これが、オスの求愛行動であり、この時期にはメスを追い掛け回す姿も見られる。近くに発情したメスが1匹しかいない場合は、オス同士の競り合いも見られるが、激しい闘争はあまり見られない。
交尾はメスの意思によって決まることが多く、オスが追いかけてもメスが、受けいれなければ、交尾は成立しない。交尾はメスの受胎が確認されるまで行われ、そのため、父親が確定されにくく、受胎確認をした母親は単独で出産、育成する。
エゾモモンガの出産は大体、4月中から5月にかけて、通常2子〜4子を出産する。子は20日程で耳の穴があき、35日で開眼。生後2カ月ほどになると、独立し、その後は親子の認識はなくなると言われている。
また、一年に二度の出産をする個体もあり、その場合は秋にも繁殖行動がみられる。
天敵
エゾモモンガの天敵としてはシマフクロウ、フクロウ、ハイタカ、トビ、エゾクロテンが知られるが、人間の貼る有刺鉄線にかかるなどの事故もある。 |
食物
季節により食するものが変化するものもあるが、主に樹の芽,樹皮、葉、種、実を食べる。 (ヤナギ、ハンノキ、ハルニレ、カエデ、ミズナラ、トドマツ等。)たまに、昆虫なども食する。好みは個体差が有る。エゾモモンガはリスのように貯食しないので冬でも探食に出かける。
鳴き声
繁殖活動を始める時期はオスのエゾモモンガが「ジュクジュクジュク」とも「ズィズィズィ」ともいえる鳴き声を出す。
また、生まれた子が巣外に出されるなど何らかの事故があった場合、母親に居場所を知らせるため鳴くとされている。
個体同士の争いがおこるときも不満を表すように鳴き声を出すが、そう頻繁には聞くことが出来ない。
分類
エゾモモンガはユーラシア大陸に生息するタイリクモモンガの亜種であり、北海道の森林に生息している。北欧やシベリアにはシベリアモモンガ、朝鮮にはチョウセンモモンガなどがいる。
日本にペットとして輸入されているのは主に中国等で捕獲された亜種である。
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